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世界最強 中国卓球の秘密のレビュー

卓球王国から出版された『世界最強 中国卓球の秘密』を購入しました!約300ページのボリュームに圧倒されました。内容も中国卓球の考え方、用具の選び方、基本から応用、練習方法、フットワーク、戦術などなど内容の充実ぶりに大満足です!

いくつか印象に残った点をピックアップします。まず、中国選手はスマッシュをほとんど使いません。またスマッシュを打つ時でも回転をかけて相手コートに入る確率を上げます。日本ではスマッシュは叩きつけるような打ち方を指導されますが、この点が大きく異なります。中国ではボールに回転をかけて弧線を描く軌道になるように指導されます。中国選手がミスが少ないのはこのためです。とにかく確率重視が中国!一か八かの日本という正反対の卓球しそうですね。



次に、フォームよりもインパクトのラケット角度を重視するのが中国流です。中国では選手のフォームの修正をすることは滅多にないとのことです。フォームに癖があっても安定してボールが入ればOK!というのが中国の考え方です。日本の指導者や選手はフォームを重視する傾向にありますが、中国ではボールが相手コートに入ることを重視します。形式を重視する日本と結果を重視する中国の思想の違いが現れています。

中国の卓球の基本的な考え方は、先ほどあげた確率重視の他に、全面性です。日本では決められたコースでの練習が多いのですが、中国では初心者の段階からオールコートでの不規則な多球練習を行っています。多球練習の割合の多さが中国流です。最近、女子で平野美宇ちゃんをはじめ小学生が全日本選手権の一般の部で高校生や大学生を連破しましたが、間違いなく内容の濃い多球練習を早い段階から取り入れています。裏を返せば、良い多球練習を取り入れれば誰でも短期間に上達できると言うことです。

最後に触れたいのはグリップです。ラケットは肩やヒジではなく、指で振る感覚が中国流というのが書いてありましたが、これは今まで聞いたことがない考え方でした。今度から卓球をするときは指の感覚を大事にしながらボールを打とうと思いました。上級者にとっては当たり前の感覚かもしれませんが、卓球がなかなか上達しなくて悩んでいる人はグリップを柔らかくして指の感覚を大事にしてみてはいかがでしょう?

ここで触れたのは本のごくごく部です。ここでは詳しく触れませんでしたが、サーブ、レシーブやフットワークも一昔前の卓球書籍とは比べものにならないくらい内容が充実しています。裏面打法やカット打法についても詳しく述べてあります。カット打法も日本とは考え方が違い驚きました。これだけの内容で定価1500円は正直安いと思いましたね。これはおすすめできる内容だと断言します!